ワクチンパレード
開催趣旨

希望するすべての人たちにワクチンを!

〜ワクチンで防げる病気(VPD)から子どもも大人も守るために
必要なワクチンを無料で接種できる環境を求めます〜

2020年8月
ワクチンパレード実行委員会
事務局 吉川恵子

  ワクチンで防ぐことができる病気「VPD(Vaccine Preventable Diseases)」はワクチンで防ぐ。これは世界の常識であり、感染症から国民の健康を守ることは重要な政策です。 

  わが国はWHOが先進国の子どもたちに接種を推奨しているおたふくかぜワクチンでさえ、定期接種化が遅れており、そのために一生難聴に苦しんでいる多くの子どもたちがいます。私たちはこれまで一貫して国内の感染症対策の強化や国外から持ち込ませないようワクチンによる集団免疫を獲得するために、日本で受けられるワクチンをすべての人が知り、経済的な負担なく接種できる環境整備を訴えてまいりました。

  また、先進諸国ではワクチン接種によってHPV感染症や子宮頸がんの予防効果が科学的に示されていますが、日本では国民への情報提供が不十分です。まずは情報の周知につとめていくべきと考えます。

  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大で世界が混乱している中、改めて感染症対策が国防であることが明白となりました。来年に延期されましたがオリンピック・パラリンピックの開催を前に、今こそ、ワクチンがある麻しんや風しん、侵襲性髄膜炎菌感染症、B型肝炎、ポリオへの対策は急務な課題です。今年も環境整備をアピールします。

以上

報告書

  10月8日(木)13時から15時まで衆議院第二議員会館第一会議室において、「希望するすべての人たちにワクチンを」パレードを行った。今年で11回目を迎えるパレードは新型コロナウイルス感染症感染拡大の防止のため、全国から患者会が集まって六本木の沿道を歩くのは危険と判断。各地をzoomで10団体の他、各地の患者会、市議会議員、国会議員らの発言や応援メッセージも届き、賑やかなリレートークイベントとなった。

  会場では開始前にワクチンパレードの10年間を写真で振り返る動画が冒頭放映され、これまでの10年間のパレードのあゆみと拡充された予防接種施策のトピックが映し出され、懐かしい写真に見入ってしまう参加者の様子も見られた。その後、ワクチンパレード実行委員会事務局である吉川恵子さんが挨拶、続いて司会を細部小児科クリニック院長で子ども支援ネットワークの細部千晴先生が務め、元気いっぱい、テンポよく患者会メンバーにバトをつないでいった。

  各地の患者会からは「VPD(ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぐ)ことの大切さや感染症の怖さの話を際に事者の方や保護者の皆さんから映像やフリップボードで解説され、予防接種に関する理解を深める貴重な機会となった。尚、このオンラインパレードの様子は公式ホームページで視聴することができる。初の映像配信には様々なハードルがあったが、PersonaliTVの佐藤安南さんやカメラマンの高橋夏子さん、竹村美穂さんらプロの尽力により無事に成功した。

 大臣要請の様子

  大臣要請のあと、16時半から厚生労働省記者会で会見を開いた。

  冒頭、「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」の菅谷明則理事長から代表して要望書提出した状況を説明。私たちの会は国民や医療者、官僚も含めてエビデンスに基づいたバランスのとれた透明な議論を行い、十分に納得できるようなワクチン施策を行ってもらいたいと要請した。田村大臣からは「ワクチンの有用性が証明されてきているが、国民の前向きな理解とそうではない部分があるので、そちらの問題を解決していく必要がある」と述べ、加えてHPVワクチンについては積極的勧奨とまではいかないが対象者に事実を知ってもらう個別通知を行うとの見解を報告。また、おたふくの問題も古屋範子議員から助言があり、前向きに取り組む姿勢を示したと話した。その後、各団体から順に発言を行った。

  「風しんをなくそうの会『hand in hand』の可児さん、大畑さんからは「第5期接種がコロナ禍で進んでいない。時限措置ではなく、抗体価保有率90%になるまで継続を要請した。「なんとか風しん排除にむけて本気になって、クーポンを活用してほしい」と話した。  「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る」の会田中さんからは「来年に延期になったオリパラ前に、髄膜炎菌ワクチンを大会関係者やボランティアへ無料で接種してほしいことや疾患の認知度を上げるよう啓発を進めて欲しい」と述べた。

  続いて、「NPO法人日本小児肝臓研究所」の乾先生から「VPDということでB型肝炎ワクチンが2016年に定期接種となったが、今回の新型コロナウイルス感染症の流行で感染症には国境がないことが明らかとなった。B型肝炎も海外型が入ってくる場合もあり、全国民が一生に一度はHBワクチンを受けるように施策を拡充してほしい。肝炎対策に尽力した田村大臣であるので進めてもらいたい」と話した。

  ウイルス学者である加藤茂孝先生から「先天性風しんで子どもたちに障害がでることはわかっている。そのため、障害がでる数よりもそれを恐れて人工中絶する数の方がはるかに多い。1人の先天性風しんの子どもの影には60人子どもたちがいる。表の数字ではなく、陰になった数がある事を知って欲しい。検査体制の問題点も今回の新型コロナの状況と同じであったが希望する検査可能となる体制を整備すれば人工中絶数を避けることができると指摘した。加えて2014年の西アフリカのエボラ出血熱大流行を事例にあげ、エボラも1万人以上が亡くなったが、エボラ感染で医療崩壊し、ワクチンを受けなかったり、衛生状況が更に悪くなり、パンデミックの疾患以外の病気でなくなった方が多くみられた。ぜひ、新型コロナ対策だけではなく、ワクチンがある疾患を積極的に防いでほしいと訴えた。 最後に細部千晴先生から11年間に水痘やHB等任意が定期接種となったが、おたふくかぜが唯一残っている。また定期接種なのに国民に周知されていないHPVワクチンがある。情報、地域、経済、施設の4つの格差をなくすため啓発を行うこと。加えて日本版ACIPを創設し政治にふりまわされない予防接種施策を強く求める、と話した。

【YouTubeライブ】https://youtu.be/OPY2SULFFkw>
【facebookライブ】https://www.facebook.com/119240296397953/posts/151163143205668/

 実行委員会一覧

・特定非営利活動法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会 理事長 菅谷明則
・細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会 代表 田中美紀
・風疹をなくそうの会『hand in hand』共同代表 可児佳代 西村麻依子
・特定非営利活動法人 日本小児肝臓研究所 理事長 藤澤知雄
・ポリオの会 代表 小山万里子
・SSPE青空の会 (亜急性硬化性全脳炎・家族の会) 会長 田伏純子
・特定非営利活動法人 人工聴覚情報会 代表 眞野守之
・一般社団法人チャーミングケア 代表理事 石嶋瑞穂
・子ども支援ネットワーク 吉川恵子 細部千晴
・千葉県保険医協会 会長 岡野久

 各団体のシュプレヒコール

「すべての国民にB型肝炎ワクチンを接種しよう」
「先天性風疹症候群などによる難聴はワクチンで防げる難聴です!」
「先天性風疹症候群などによる難聴はワクチンで防げる難聴です。」
「オリンピックするなら髄膜炎菌ワクチンを接種しよー!」
「子宮頸がんはワクチンと検診で防ごう!防ごう!」
「就学時のポリオワクチン追加接種を(追加接種を)」
「治療法に関わらず、小児がん治療により消失するワクチンを把握して、再接種を!」

以上

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