ワクチンパレード
開催趣旨

風しんを排除するために麻しん拡大阻止

〜必要なワクチンを確保し、
費用の心配なく接種しやすい環境を求めます〜

2019年9月
子ども支援ネットワーク
吉川恵子  細部千晴

  抗体がない30〜50代の成人男性は風疹にかかりやすく、妊婦さんが風しんにかかるとおなかの赤ちゃんに大きなダメージを負わせてしまいます。大人も子どもも同様に「MRワクチン」を受けて社会全体で妊婦さんとお腹の赤ちゃんを守ることが大切です。

  厚生労働省は平成26年3月に「風しんに関する特定感染症予防指針」において「早期に先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成32年度までに風しんの排除を達成すること」を目標としました。しかしながら、平成30年には再び風しんが流行し、本年2月に風しんに対する追加的対策を講じましたが、風しんに対する抗体検査受診率およびワクチン接種率の上昇にはつながっておらず、2019年第30週までの風しん累積患者報告数は2,000人を超え、先天性風しん症候群が3名報告されています(2019年8月現在)。第5期のクーポン活用とMRワクチン接種は急務です。はしか(麻しん)は、海外旅行者が持ち込み、国内で流行します。今年も千葉県等で麻しん患者が発生しています。はしかは感染力が大変強く、命に関わる病気です。

  すべての年代で百日せきが増え、乳児にうつし、命が危険にさらされています。乳児を百日せきから守るには、小学校入学前の「三種混合ワクチン」の定期接種と「二種混合ワクチン」から「三種混合ワクチン」への切り替えを求めます。ムンプス難聴は、おたふくかぜ(ムンプス・流行性耳下腺炎)の合併症です。高度や重度の難聴になり、一生治りません。ムンプス難聴予防には「おたふくかぜワクチン」の定期接種化が急がれます。

  世界保健機関(WHO)が定期接種とし、無料で接種すべきワクチンと示している「ロタウイルスワクチン」は任意接種のままです。「B型肝炎ワクチン」は、1歳以上は任意接種ですが、キャリアのリスクを減らすには3歳まで定期接種する必要があります。そのほか、肺炎球菌による肺炎、帯状疱疹もワクチンで防げます。定期、任意問わず「ワクチンで防げる病気(VPD)」について国民に積極的に周知徹底をおこない、健康と生活の質を保つことが重要です。

  今年も日本で受けられるワクチンをすべての人が知り、経済的な負担なく接種できる環境整備を求めて歩きます。

以上

inserted by FC2 system